避妊去勢手術
Castration surgery
去勢手術
目的
男の子の意図しない繁殖の予防をはじめとし、将来的な前立腺疾患、会陰ヘルニア、精巣腫瘍などホルモン依存性の疾患の予防を目的として実施します。また、攻撃性やマウンティングなどの性行動を抑えることができます。
去勢手術に最適な時期
生後6ヶ月以降での手術を推奨しております。
去勢手術の方法
全身麻酔下で精巣を摘出します。
Contraceptive surgery
避妊手術
目的
女の子の意図しない繁殖の予防をはじめとし、将来的な乳腺腫瘍、子宮蓄膿症などのホルモン依存性の疾患の予防を目的として実施します。また、初回発情前に行うことで乳腺腫瘍の発生率を0.05%までに下げることができます。
避妊手術に最適な時期
生後6ヶ月以降での手術を推奨しております。
避妊手術の方法
全身麻酔下で子宮と卵巣を摘出します。さらに当院では従来の方法以外に腹腔鏡を用いた手術をご提案しております。
Flow
避妊・去勢手術の流れ
01 手術予約
年齢、健康状態をお伺いし、手術の日程を相談で決めていきます。手術当日は、ご家族が連絡をとれる日程にしてください。
02 術前検査
手術当日の1週間前までに検査にお越しください。(一般的には身体検査、胸部レントゲンや血液検査を行います)
手術と同時に解決することができるような乳歯抜歯なども診察で確認していきましょう。
※同時にマイクロチップ設置も可能ですのでご相談ください。
03 前日
麻酔を使用するため、手術前日の21時以降にごはん・おやつは与えないでください。
胃の中に食べ物がある状態で麻酔を使用すると誤嚥をする恐れがあるため、21時以降に食べ物を与えた場合、手術を延期することがありますのでご注意ください。お水は当日朝まで摂取可能です。
04 当日
検査
9時にご来院ください。
当日の身体検査を行います。また、術前検査で異常を認めた場合は再検査をすることもあります。
ご飯は抜いてきていますか?体調が問題なければ手術に向かいましょう。
移動
腹腔鏡の手術を行う場合は、設備のために本院に移動します。手術も送り迎えもスタッフが立会いますのでご安心ください。
麻酔
より安全に実施できる麻酔方法を採用しています。また手術中は循環・呼吸のモニタリングを行い、全身麻酔中の動物の状態を細かくチェックしながら手術を進めています。
鎮痛
全身的な消炎鎮痛剤や手術部位の局所麻酔、さらには動物の状態に応じて鎮痛薬を投与して、避妊・去勢手術における動物の痛みに対しても、十分なケアを行います。
05 術後
お迎えは16〜19時です。
06 術後の診察
ご自宅で安静に過ごしていただいたら、手術翌日の診察にてご様子を拝見させていただきます。
また、術後の10日前後に抜糸、経過観察のため受診をお願いしています。
Laparoscopic surgery
体に負担の少ない手術
(腹腔鏡による避妊手術)
当グループでは動物の身体にやさしい医療を目指しています。
腹腔鏡手術は画期的な手術です。従来であれば、手術のために皮膚を大きく切開していたものを、5mmの小さな穴を3か所切開するだけで避妊手術が可能です。
腹腔鏡手術では、お腹の中に炭酸ガスを入れ膨らませることで術野と安全性を確保し、トロッカーと呼ばれる器具を挿入、その小さな穴からカメラ・専用の手術器具を体内に入れ、テレビモニターに映し出された画像をもとに手術を行います。腹腔内での血管の処理は超音波凝固切開装置(超音波メス)を用いて行います。
腹腔鏡を用いた避妊手術にご興味がある方は、スタッフまでお声がけください。
腹腔鏡手術のメリット
傷が小さい
手術によって異なるが、例えば避妊手術であれば従来5cmくらいの切開が必要だが、腹腔鏡だと0.3〜0.5cmの穴を2、3個で手術を行える。
術後の痛みが少ない
傷が小さいと術後の傷の痛みも少ないことが多く、動物への負担は少ない。
術後の回復が早い
臓器を直接触らないので腸の回復も早く、また痛みが少ないため回復が早いので入院期間も短期間となる。
腹腔内の湿潤環境を保つ
臓器を直接触れないので癒着や腸閉塞などの合併症が少ない。
拡大された視野
カメラを通して拡大されて観察することができるので手術部位の止血の確認が鮮明である。
また術中の情報もご家族様と共有ができる。
同時に他の臓器の確認・生検ができる
腹腔内全体を見渡すことができ、避妊手術等と同時に他の臓器の検査(生検等)や確認ができる。
腹腔鏡手術のデメリット
視野が狭い
カメラを通してみるため微細な観察は得意な反面、肉眼でみるより視野が狭くなる。
器具、技術が必要
限られた環境で出来る手術のためトレーニングが必要。当院では技術向上、安全確保のため、研究会やセミナーでトレーニングを受けた限られた人員のみで手術を行います。
開腹手術に比べコストがかかる
特殊な手術器具を用い、かつ主治医や助手にも高い技術求められます。そのため手術費用は、開腹手術に比べると高くなってしまいます。