歯科
Introduction
歯科の紹介
ワンちゃん・ネコちゃんの歯の健康を守るために、当院では専門的な歯科診療を提供しています。
歯の問題は全身の健康にも影響を与えるため、毎日のホームケアに加え、専門的な知識を持った獣医師による動物病院での定期的な治療・メンテナンスが重要です。
歯科の担当医から飼い主様へ
與名本 輝 獣医師
JAMCグループ歯科チームリーダー・
歯科専門外来担当医
卒業学校・略歴
- 2006年
- 東京農工大学農学部獣医学科卒
- 2006~2012年
- 埼玉・東京の動物病院にて一般診療(歯科診療含む)に従事
- 2012年
- 日本動物医療センター入社
日本動物医療センター本院の他、グループ病院の麻布十番犬猫クリニックおよび原宿犬猫クリニックでも歯科診療を中心に一般診療も行う
資格
- JAHA 獣医総合臨床認定医
- 比較歯科学研究会 歯科臨床診断学技能認定取得
- 日本小動物歯科研究会 レベル4取得
- 埼玉動物医療センター 歯科研修医
担当医のご挨拶
皆様初めまして。JAMCグループ歯科チームリーダー・歯科専門外来担当医の與名本です。
突然ですが、皆様ご自身の歯の健康に関して自信はありますか?自信がある!と思った方もそうでない方もいらっしゃるかと思いますが、定期的に歯医者さんで検診を受けてる人はどのくらいいらっしゃるかご存知でしょうか?
実は、定期的に歯医者さんに行く人は3人に1人しかいないそうです。
毎日歯を磨いているから自分は大丈夫と思われるかもしれませんが、実際はそうでもありません。
「8020運動」をご存知でしょうか?これは、80歳で20本の歯を残そうという啓発活動なのですが、これには3か月に1回の歯医者さんでの定期検診が必要です。なぜなら、歯医者さんで受けた治療・メンテナンスで歯周病菌を減らすことが出来たとしても、3か月で元の状態に戻ってしまうと言われているからです。
それでは、ワンちゃんやネコちゃんはどうでしょうか?
アメリカ動物病院協会のガイドラインによると:
- 生後6か月で最初の歯科検診を受けること。
- 小型~中型犬・猫は1歳、大型犬は2歳で初めての麻酔下口腔検査とクリーニングを行うこと。
- その後、半年に1回、少なくとも1年に1回の麻酔下検査とスケーリングを行うこと。
- 高齢や持病があっても、定期的な麻酔下検査やスケーリングを続けること。
- 無麻酔での歯石除去は正確な診断や治療ができないため避けること。
これらの指針を守ることで、ワンちゃんやネコちゃんの歯周病を防ぎ、健康を保つことができます。歯周病を放置すると全身の健康にも影響するため、毎日の歯磨きと定期的な検査・治療が重要です。
私たちは、『歯の健康を保つことが長寿の秘訣になる』と信じています。ご家族様が正しい知識を身に付け、皆様の大切な家族であるワンちゃん・ネコちゃんが、共に健康で美しく長生きできるよう、末永くお手伝いさせていただけますと幸いです。
歯科の特⾊
歯周病、歯冠破折、不正咬合、猫の尾側口内炎(難治性歯肉口内炎)、犬の潰瘍性口内炎、乳歯遺残、歯原性嚢胞、口腔内腫瘍など、
幅広い口腔内疾患の診断・治療のご相談を承ります。
歯科担当医による
専⾨性の⾼い診断・治療
当院の歯科担当医は長年にわたりJAMCグループの歯科診療に携わり、豊富な経験を有しております。獣医歯科の各研究会における技能認定取得や、様々な講習・セミナーの受講を通じて日々知識・技術をアップデートしており、ご家族様に安心して治療を受けていただけるよう、丁寧な診療と説明を心がけています。
充実した口腔外科の設備
当院は、最新の歯科診療設備を完備しています。これにより、歯周病治療だけでなく、最先端の保存治療や再生療法も安全かつ効果的に行うことができます。歯に関するあらゆる問題に対応できる環境が整っています。
お口以外のトラブルでも安⼼
当院は日本動物医療センターのサテライト病院であり、医療連携を行なっています。大きな手術や診断が難しい病気になった場合には、本院である日本動物医療センターでの検査や治療が可能です。
Treatment・Care
当院で実施している
治療・ケア
- 定期歯科検診:定期的な歯科検診を通じて、歯や歯肉の状態をチェックし、早期発見と予防を行います。
- 歯石除去:専用の器具を使用して、歯石や歯垢を取り除き、歯周病の予防に努めます。
- 歯科手術:抜歯や歯周病治療、その他の口腔外科手術を安全に実施します。
- 歯磨き指導:飼い主様に対して、家庭でできる適切な歯磨き方法を指導します。
Inspection
当院でできる検査について
身体検査
獣医師がペットの口腔内を目視で検査し、歯や歯肉の状態を確認します。歯石の付着、歯の変色、欠損、歯肉の腫れや出血などをチェックします。また、触診では歯や歯肉の他、口唇や顎を触れて、歯の動揺(ぐらつき)や痛み、腫れの有無、骨の状態まで確認します。これにより、歯周病やその他口腔内疾患による歯や歯槽骨の損傷の程度を把握します。
診断できる病気の例
- 歯周病
- 破折
- 摩耗
- 咬耗
- 不正咬合
- 猫の尾側口内炎(難治性歯肉口内炎)
- 犬の潰瘍性口内炎
- 吸収病巣
- 埋伏歯
- 欠歯
- 齲蝕
- 乳歯遺残
- 歯原性嚢胞
- 顎骨骨折
- 各種口腔内腫瘍など
デンタルプローブ検査
専用のデンタルプローブ(細い針状の器具)を使用して、歯と歯茎の間のポケットの深さを測定します。
この検査は、歯周病の進行度を評価するために重要です。
診断できる病気の例
- 歯周病
デンタルX線検査
歯や歯の根、顎骨の状態を詳細に確認するために、デンタルX線(レントゲン)を撮影します。
肉眼では見えない内部の問題(歯根の感染、骨の損傷など)を発見することができます。
診断できる病気の例
- 歯周病
- 破折
- 摩耗
- 内歯瘻
- 外歯瘻
- 口腔鼻腔瘻管
- 根尖病変
- 齲蝕
- 失活歯
- 吸収病巣
- アンキローシス(骨性癒着)
- 埋伏歯
- 欠歯
- 過剰歯
- 顎骨骨折
- 歯の脱臼
- 変形歯
- 歯牙形成不全
- エナメル質形成不全
- 口腔内腫瘍など
病理組織検査
異常な腫れやしこりが見つかった場合、その組織の一部を採取して病理検査を行います。これにより、腫瘍の有無や種類を確認します。
診断できる病気の例
- 悪性黒色腫(メラノーマ)
- 扁平上皮癌
- 線維肉腫
- 骨肉腫
- リンパ腫
- 肥満細胞腫など
【悪性】
- 過形成病変
- 炎症性エプリス
- 線維腫性エプリス
- 棘細胞性エナメル上皮腫など
【良性】
歯科のトラブル・お悩み
歯の病気は⽐較的発⾒しやすいことが多いですが 治療が遅れてしまうと治療が難しくなってしまうことも多くあります。
ここでは歯科・口腔内疾患でよくある代表的な症状をご紹介しています。
⾒た⽬から探す
口が臭う
歯周病や猫の尾側口内炎、犬の潰瘍性口内炎、各種腫瘍性疾患等では軽度~重度の口臭が認められます。健康なワンちゃん・ネコちゃんの口腔内の臭いは通常無臭です。少しでも臭いを感じたら、できるだけ早く歯科に精通した獣医師の診察を受けるようにしましょう。口腔内疾患の早期発見は、話すことが出来ないワンちゃん・ネコちゃんの苦痛を取り除き、健康で快適に生活できる時間を可能な限り長くすることに繋がります。
考えられる病気
- 歯周病
- 猫の尾側口内炎
- 犬の潰瘍性口内炎
- 口腔内腫瘍など
食欲がない
食欲がない場合、重度の口の痛みや違和感、口腔内疾患に伴う全身の不調が考えられます。食べる気持ちはあるが食べにくそうにしていたり途中でやめてしまったりする場合は、口の痛みや違和感が原因かもしれません。また、そもそも食事に興味を示さない場合は、口腔内疾患に伴う全身の不調が原因の可能性もあります。
考えられる病気
- 歯周病
- 猫の尾側口内炎
- 吸収病巣
- 犬の潰瘍性口内炎
- 破折
- 顎骨骨折
- 口腔内腫瘍など
口を触るのを嫌がる
口を触られるのを嫌がる場合も、口の痛みや違和感を感じている可能性が高いです。子犬のころから嫌がっていた場合は性格的なものが原因の可能性もありますが、以前は触らせてくれていたのに気付いたら嫌がるようになっていた場合は、歯周病などの痛みを感じる口腔内疾患の可能性があります。
考えられる病気
- 歯周病
- 猫の尾側口内炎
- 吸収病巣
- 犬の潰瘍性口内炎
- 破折
- 顎骨骨折
- 口腔内腫瘍など
歯が茶色い
歯が茶色く変色している場合、歯石や着色汚れ(ステイン)であることが多いですが、歯が削れて中心部が黒くなっている場合は摩耗や咬耗、歯が欠けて黒くなっている場合は破折による露髄、歯自体が全体的に茶色くなっている場合は失活歯(神経が死んでしまった歯)の可能性があります。また稀ですが、齲蝕(むし歯)の可能性もあります。
考えられる病気
- 歯石やステインの付着
- 咬耗
- 摩耗
- 破折による露髄
- 失活歯
- 齲蝕など
歯茎が赤い、腫れている
歯茎が赤くなったり腫れたりしている場合は、歯周病による歯肉炎・歯周炎の他、吸収病巣、猫の尾側口内炎、犬の潰瘍性口内炎、根尖膿瘍、含歯性嚢胞、口腔内腫瘍、過形成病変、エプリスなどが考えられます。痛みは無い場合から重度のものまで様々ですが、外科的な対応が必要になるケースも多いため、できる限り早く受診されることをお勧めします。
考えられる病気
- 歯周病
- 猫の尾側口内炎
- 犬の潰瘍性口内炎
- 根尖膿瘍
- 含歯性嚢胞
- 口腔内腫瘍
- 過形成病変
- エプリスなど
顔が腫れている
顔が腫れている場合は、歯以外の原因(アレルギー反応、皮膚疾患、甲状腺機能低下症など)であることも多々ありますが、歯が原因で顔が腫れるケースもよく認められます。最も多いのは上顎臼歯の歯周病が進行し、歯根周囲に膿が溜まって腫れてくる(根尖膿瘍)ケースです。
視診では一見きれいに見えるケースもあるため、確定診断には全身麻酔下での歯科レントゲンとプロービング(歯周ポケットの深さを測ること)が必要です。また、口腔内腫瘍や鼻腔内腫瘍、眼の腫瘍でも顔が腫れてくることがあり、見た目では歯科疾患との鑑別が難しいケースもあるため、動物病院での早急な診断が求められます。
考えられる病気
- 根尖膿瘍
- 口腔内腫瘍など