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2024.12.13
麻布十番犬猫クリニック歯科

マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を用いた抜髄根管治療

根冠治療

当院ではマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を用いた抜髄根管治療を実施しております。

抜髄根管治療(ばつずいこんかんちりょう)は、歯の神経(髄)やその周囲の感染した組織を取り除き、根管を清掃・消毒した後、根管を充填する治療法です。この治療は主に虫歯や外傷によって歯髄に感染が起きた場合に行われます。犬猫の場合、ほとんどが外傷(硬いものを噛んで割れた)により破折した歯に対して選択されます。

抜髄根管治療には高度な技術と知識に加え、多種多様な設備と機材が必要なため、今までの獣医学領域では折れて感染を起こしてしまった歯の治療は抜歯が一般的でした。また、例え抜髄根管治療を実施したとしてもその成功率は低く、歯を保存できないケースが多々ありました。

当院では設備・機材はもちろんの事、人医療の理論を元に考案された技術を用いることで、抜髄根管治療の成功率を高めた手術法を採用しております。

一般的な抜髄根管治療の適応は以下のような場合ですが、犬猫では虫歯は稀であるため、4と5が大半を占めます。

抜髄根管治療の適応

  1. 重度の虫歯:歯髄に達するほどの進行した虫歯
  2. 歯髄炎:炎症が生じている場合(急性または慢性)
  3. 歯髄壊死:歯髄が死んでしまった場合
  4. 外傷:硬いおもちゃやガムなどによる歯の損傷
  5. 根尖性歯周炎:根の先端に感染が広がり、炎症が生じている場合(根尖病変)

また、メリットとデメリットは以下の通りです。

メリット

  1. 歯の保存:抜髄根管治療を行うことで、抜歯を避け、歯を保存できる可能性が高まります。
  2. 痛みの軽減:感染した歯髄を取り除くことで、痛みや不快感を軽減できます。
  3. 機能の回復:治療後、歯の機能を回復し、噛むことが可能になります。

 

デメリット

  1. 治療の複雑さ:治療が複雑で時間がかかることがあります。特に根管の形状が複雑な場合は難易度が上がります。
  2. 再発の可能性:根管内に残った感染物質や細菌が原因で、再発する可能性があります。
  3. 歯の弱化:治療後、歯が脆くなることがあり、特に大きな冠や補綴物が必要になることがあります。
  4. 高コスト:治療費が高額になる場合があります。
  5. 複数回の全身麻酔:治療が複数回に及んだり、経過観察などのため、全身麻酔が複数回必要になることがあります。

 

まとめ

抜髄根管治療は、感染した歯を保存するための重要な治療法ですが、適応や治療後の管理が重要です。ご家族様が最適な治療方法を選択出来るよう、最善を尽くしてまいりますので、お気軽にご相談ください。