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年1回の麻酔下スケーリングで死亡リスクが下がる!?

2020.09.07

「スケーリング」という言葉を聞いたことはありますか?ご存知の方も多いと思いますが、いわゆる「歯石除去」の事を指しています。人の歯科医療では3か月に1回程度の口腔内クリーニングを行うことが一般的と言われていますが、では、犬・猫の場合はどうなのでしょうか?

 

犬・猫のスケーリング、口腔内クリーニングは人と違い、基本的に全身麻酔が必要です。その理由は、「少なからず痛みがあるので、じっと耐えていることが難しい事もある」「長時間押さえつけられることを苦痛と感じる子もいる」「処置中に動いてしまうと危険」等の理由によります。

 

最新の知見では1歳の犬の90%が歯周病を罹患しているとも言われていますが、全身麻酔が必要と言われるとどうしても抵抗を感じてしまい、ついつい避けてしまっているご家族様も多いのではないでしょうか?

 

「うちの子は毎日歯みがきしてるから大丈夫!」

「毎日はしてないけど、そんなに臭いも気にならないし大丈夫でしょ?」

「ご飯食べられてるし、気にしてる様子もないから大丈夫じゃないの?」

 

若いうちは特に歯周病によるトラブルは起きにくいので、このように感じられるのは当然でしょう。

一方で、定期的な麻酔下のスケーリングが寿命を延ばすかもしれないという報告があるとしたらどうでしょうか?

 

 

Journal of American Animal Hospital Association 2019年5、6月号に掲載された記事で、非常に興味深い研究結果が報告されていましたのでご紹介します。

 

この研究ではアメリカの一次診療施設に来院した犬237万頭を調査して、体格や犬種、体重、避妊去勢の有無ならびに動物病院への来院頻度、歯科スケーリングの頻度と寿命との関連性を評価しています。その結果以下の知見が得られたことを報告しています。

 

・体格は小さいほど寿命が長い

・雑種犬の寿命は純血犬の寿命より長い

・避妊しているメス、去勢しているオスはそうでない犬よりも寿命が長い

・年1回の歯科スケーリングは死亡リスクを18.3%低下させる

 

 

この研究によるデータはあくまでも‟ひとつの結果“ではありますが、スケーリングが寿命に関連しているのではないかという投げかけをしてくれています。

 

 

ただし、スケーリングは基本的に全身麻酔下で行われるため、もちろん麻酔のリスクも考慮する必要があります。年齢や持病によりリスクは大きく変わってきますので、事前に担当の獣医師とよく相談したうえで実施するようにしましょう。

 

 

犬は1歳で90%が歯周病と言われていますので、1歳未満から歯磨きやデンタルガム、サプリメント等のデンタルケアを開始しましょう。

また同時に、獣医師と麻酔下でのスケーリングについてもしっかりと相談していき、『健康で長生き』を目指していってください!

 

 

当院では麻酔下のスケーリングも含め、予防歯科に力を入れています。

「歯磨きが難しくてできない!」

「今の歯の状態を確認したい!」

などのお悩みに対し、健康な歯を維持するための各種アドバイスをさせていただきますので、ぜひご相談ください!

 

参考文献:Risk Factors Associated with Lifespan in Pet Dogs Evaluated in Primary Care Veterinary Hospitals:JAAHA May/Jun 2019